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インプラント
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インプラントって何?
ここ数年、インプラントという言葉を目や耳にすることが多くなりました。
皆さん、歯がある時は、あまり歯の存在を意識しませんが、一度、歯が無くなってしまうと、その重要性に気付かされます。奥歯が無くなれば、しっかり噛めなくなるし、前歯が無くなれば、見た目が悪くなり、空気が漏れて、上手く話すことができなくなってしまうことすらあります。
インプラントは、歯の失われた部位に、人工(チタン製)の歯根を顎の骨に埋め込み、その上に人工の歯を作製して噛み合わせを回復する治療法です。固定式であるためガタついたりせず、自分の歯のように噛めるようになりますし、周りの歯にも負担をかけません。
インプラントの歴史1952年、スウェーデンの医師であるProfessor P.I. Branemark (ブローネマルク教授)が、骨の治癒を研究している際、ウサギの足の骨にチタンで作られた生体顕微鏡用の器具を埋め込んで内部を観察しました。数か月の実験後、この器具を取り外そうとしても取り出せなくなってしまいました。以前、他の金属を使用した時は、骨から取り外せないということはありませんでした。このことから偶然にもチタンが骨とくっつくという大発見がなされたのです。純チタンと骨が結合することをオッセオインテグレーション(osseointegration)と名付けました。 ブローネマルク博士は、この発見が医学に役立つと考えて研究を進め、チタン製の歯根型インプラントを開発し、1965年に世界で初めて歯科医療に臨床応用されました。患者さんの顎骨に実際に埋入して、固定性のブリッジを入れて使用し、40年以上しっかりと噛むことができたそうです。
初のインプラントから40年以上が経ち、様々な研究・開発がなされました。 インプラントは、何で骨とくっつくの?
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インプラント | ブリッジ | 義歯 |
固定式 違和感無し 隣在歯の切削なし 審美性良い 天然歯に負担無し | 固定式 違和感なし 健康保険適用 審美性良い(保険外) 治療期間短い | 取り外し 隣在歯の切削は少ない 治療期間短い メインテナンスし易い 健康保険適用 |
外科手術が必要 治療期間が長い 治療費が高い 骨造成が必要な場合あり | 隣在歯を大きく切削 支台歯に対する負担 ポンティックの清掃性 保険外になると高額 | クラスプによる審美障害 違和感が大きい ガタつく 保険外になると高額 |
利点は、しっかり咬める・残っている歯に負担をかけない・見た目が綺麗・取り外さないで良い・違和感がほとんどない・隣の歯を削らないで良いなど、様々なメディアが挙げているように多数あります。
ここでは、患者さんにとって気になる「欠点は何?」というところについて詳しく述べていきます
外科手術が必要
手術が伴いますので、痛み・腫れなどの合併症は多かれ少なかれあります。
手術が怖い、不安な方など
→眠った状態で手術をすることができます。
全身状態によって、インプラント手術ができないことがある
コントロールされていない糖尿病や高血圧の方、心筋梗塞などの心臓疾患や、脳梗塞などで、抗凝固剤を飲んで血が止まりづらい方、骨粗鬆症やその薬を飲んでいる方など
→内科に対診し、血液検査などにより手術が可能か判断します
骨が少ないと、インプラント手術ができないことがある
インプラントは、土台となる骨が無いと埋め込むことができません。
骨が少ない方など
→当院では、骨を増やす手術を行って対応します。
治療に時間がかかる
インプラントが骨とくっつくのに、下顎で2〜3か月、上顎で4〜6か月かかります。骨が無い場合は、骨を作ってからなので、インプラントを埋入するまでに数か月かかります。
→インプラントを入れて、すぐに仮歯を入れて咬む場合もあります
インプラントと骨がつかない場合がある
インプラントの手術をしても、骨の状態や術後感染などが原因でインプラントが骨とつかないことが稀にあります〈1〜2%〉。
→その場合は、除去した後の骨の治癒を待って再手術をします。
そうすると、だいたいの場合はくっつきます。再手術に料金はかかりません。
インプラントも歯周病になる
インプラントは一生もちますか?という質問を、ほとんどの患者さんに聞かれます。答えは、なんとも言えません。もつ場合もあるし、もたない場合もあるのです。ご自分の歯が一生もちますか?と言われて、もちます、と断言できないのと一緒です。
インプラントも日々の清掃をしっかりしないと、インプラント周囲炎を起こし周りの骨が吸収してしまいます。骨が極度に無くなってしまうと、歯周病と同じでインプラントがぐらぐらになります。また、周りの歯に根の病気がある場合、その病巣がインプラントにまで波及すると、やはりインプラントを除去しなくてはならなくなってしまうことがあります。
→日々の清掃と、定期的な歯科医院でのメンテナンスが重要となります。
治療費が高額である
インプラントは自費治療となりますので、高額になります。当院では1本あたり、手術から上部構造〈歯〉が入るまで36〜40万円ほどで行っております。
→医療費控除を受けられます。
当院では、術前にこれらのお話をさせていただきます。
疑問があれば、分からないままにしないで、何でもお聞きください。
装飾品を買うのではなく、ご自分の身体のことですので。
当院は、患者さんとの対話を大事にしていきます。
主訴 | 左下のインプラントが動いて 痛い |
診断名 | 左下7番部インプラント周囲炎 |
治療法 | インプラント除去 |
リスク・副作用 | 術後、出血・腫脹・疼痛 |
費用 | 保険治療 自己負担分 数千円 |
治療期間 | 抜糸が約1週間 |
1980年代、日本でよく行われていたインプラントは、現在の形状と異なりプロペラのような形をしたブレードタイプというものでした。
このインプラントは、骨と結合しないことが多いので、しばらくするとインプラント周囲に炎症が起きて骨が破壊され、痛み・腫れ・インプラントの動揺などが生じてしまいます。
こうなると、骨の炎症、破壊が進んでしまわないよう除去しなければなりません。インプラントを撤去するだけでなく、周囲の炎症組織もしっかり除去する必要があります。除去後は骨の治癒を待ち、検査をして再びインプラントをすることが可能な場合があります。
主訴 | 左下のインプラントの部分が腫れて痛い |
診断名 | 左下5番部インプラント周囲炎 |
治療法 | インプラント除去 病巣摘出 |
リスク・副作用 | 術後、出血・腫脹・疼痛 |
費用 | 保険治療 自己負担分 数千円 |
治療期間 | 抜糸が約1週間 |
ブレードタイプインプラントと同時期、サファイヤインプラントというサファイヤ製のインプラントが使用されていました。
このサファイヤインプラントも、骨と結合しないため、インプラント周囲に病巣ができてしまうことが多くありました。現在は、使用されていません。
60代の女性です。25年前に埋入した、サファイヤインプラントが痛いということで来院されました。インプラントは、動揺し、歯肉は腫れ、膿が出てきます。
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